動車メーカーA社様事例
動車メーカーA社様事例
塗装検査のデジタル化で、再塗装ロスとCO2排出を同時に削減 ※本ページで紹介する数値・計算は、いずれも事例をもとにした概算値・モデルケースです。 お客様の課題 自動車メーカーA社様では、車体塗装工程の外観検査を目視で行 […]
塗装検査のデジタル化で、再塗装ロスとCO2排出を同時に削減
※本ページで紹介する数値・計算は、いずれも事例をもとにした概算値・モデルケースです。
お客様の課題
自動車メーカーA社様では、車体塗装工程の外観検査を目視で行っており、検査員ごとの感覚の違いから次のような課題がありました。
- 本来は合格とできる外観を過剰にNG判定してしまい、不要な再塗装が発生していた。
- 判定ばらつきにより工程内の出戻りや歩留まり低下が起こり、生産性とコストが悪化していた。
- 再塗装に伴う塗料・エネルギー・廃棄ロスが、カーボンニュートラル目標の達成を阻害していた。
A社様は「品質・コスト改善」と同時に、「工場のカーボンニュートラル」を推進することを重要テーマとしており、塗装工程のロス削減によるCO2削減を定量的に把握したいと考えていました。
導入ソリューション
当社は、塗装外観品質を定量評価できるデジタルドットゲージを提案しました。
- 外観品質を数値化し、判定基準を標準化。
- 目視中心の判定から、定量データに基づく判定へ移行。
- 判定データを蓄積し、工程改善や教育、トレンド分析に活用できる仕組みを構築。
これにより、「人によって基準が変わる検査」から「誰が見ても同じ判定結果になる検査」への転換を目指しました。
導入効果(品質・コスト面)
本事例では、月売上6,000万円規模の塗装ブースをモデルラインとして導入しました。
1. モデルラインの前提
- 月間売上:6,000万円
- 1台あたり塗装関連売上(仮定):5万円
このとき、1か月に塗装している台数は次のように計算できます。
月間台数=5 万円/台6,000 万円=1,200 台/月
- 目視ばらつきや過剰判定による「余分な再塗装」の割合(仮定):3%
余分な再塗装台数(導入前)=1,200 台×3%=36 台/月
- デジタルドットゲージ導入により、そのうち半分を削減できると想定(1.5%分削減)
削減できた再塗装台数(導入後)=1,200 台×1.5%=18 台/月
2. 再塗装削減によるコストインパクト(イメージ)
1回の再塗装にかかるコストを「塗料・溶剤+人件費+設備(乾燥炉など)のエネルギー」の合計と考えます。
- 1回あたりの再塗装コスト:再塗装コスト(1台)=塗料コスト+人件費+エネルギーコスト
- 1か月に削減できる再塗装コスト:月間削減コスト=削減台数(18 台/月)×再塗装コスト(1台)
- 1年間に削減できる再塗装コスト:年間削減コスト=月間削減コスト×12
A社様では、実際の現場データを用いて1台あたりの再塗装コストを設定することで、「年間で○○万円の再塗装コスト削減見込み」という形で社内説明が可能になりました。
導入効果(カーボンニュートラル・CO2削減)
カーボンニュートラルへの貢献を明確にするため、再塗装削減によるCO2排出削減量もわかりやすい形で試算しました。
1. 1回の再塗装あたりのCO2排出量
再塗装1台あたりのCO2排出量は、次の3つの合計と考えます。
- 塗料・溶剤の製造・使用に伴う排出量
- 乾燥炉などの電気・ガス使用に伴う排出量
- 廃棄物処理(不良塗膜、マスキング材など)に伴う排出量
モデルケースとして、1台あたりの合計を「約50kg-CO2」と仮定しました。CO2排出量(1台)=約50 kg-CO2/台
※内訳イメージ
- 塗料・溶剤:5kg-CO2/台
- エネルギー:40kg-CO2/台
- 廃棄:5kg-CO2/台
合計:5+40+5=50kg-CO2/台という考え方です。
2. 月間・年間のCO2削減量
- デジタルドットゲージ導入によって削減できた再塗装台数:18台/月
月間CO2削減量=削減台数(18 台/月)×CO2排出量(1台)(50 kg-CO2/台)=18×50=900 kg-CO2/月
- 年間の削減量は、これを12か月分で計算します。
年間CO2削減量=月間CO2削減量(900 kg-CO2/月)×12=10,800 kg-CO2/年10,800 kg-CO2/年=約10 トン-CO2/年
このように、1ブースあたり年間で約10トン-CO2の削減ポテンシャルがあるというモデル結果となり、複数ブース・複数工場に展開することで、A社様の中長期的なカーボンニュートラル目標に対して、どの程度貢献できるかを数字で示すことができました。
お客様の評価と今後の展開
- 「品質・コストだけでなく、CO2削減量を“計算式と数字”で説明できるため、経営層や本社への説明資料として非常に使いやすい」
- 「検査ばらつきが減少し、再塗装指示に対する現場の納得感も高まった」
今後は、本モデルラインでの結果と計算ロジックをベースに、他の塗装ラインや他工場へ水平展開し、「品質改善 × コスト削減 × CO2削減」を同時に実現していく計画です。