看板メーカーA社様事例-一品もの・意匠性の高い塗装事例-

看板メーカーA社様事例-一品もの・意匠性の高い塗装事例-

一品もの看板の“見え方基準”を数値化し、検査スキル依存と見落としを解消 ※本ページで紹介する内容・数値イメージは、いずれも事例をもとにしたモデルケースです。​ お客様のお困りごと 製品や部位ごとに違う品質基準を、人の経験 […]

一品もの看板の“見え方基準”を数値化し、検査スキル依存と見落としを解消

※本ページで紹介する内容・数値イメージは、いずれも事例をもとにしたモデルケースです。


お客様のお困りごと

製品や部位ごとに違う品質基準を、人の経験だけで支える限界

看板メーカーA社様では、商業施設や店舗向けの意匠性の高い看板を、一品もの中心で製作されています。

  • 看板は、取り付け位置(高い位置か、目線の高さか)、見る距離(近くか、遠くか)、光の当たり方(LEDライトが当たるかどうか)によって、「求められる見え方」が大きく変わる。
  • 小さな切り文字看板は、人の目線に近い場所に設置されることが多く、真正面からLEDライトが当たるケースも多いため、わずかなゴミブツや段差でも目立ちやすく、品質基準が非常に高い。
  • 一方で、遠くからしか見えない高所看板や、見えにくい裏面・側面は、許容できるレベルも異なり、同じ製品の中でも部位ごとに基準を変えて判断している。

この結果、品質判断はどうしてもベテラン検査員の経験とスキルに依存せざるを得ませんでした。

  • 「この位置ならこの程度のゴミブツは許容」「ここは客先が一番気にする面だからNG」といった、暗黙知ベースの判断。
  • 一品ものが多く、基本的に全数・全面を目視でチェックしなければならない。
  • 検査員によって“見るポイント”や厳しさが違い、見落とし・過剰判定・判断ばらつきが発生していた。

さらに、塗装面の上にシートを貼って色分けする工法も多く採用されており、塗装の上にゴミブツが残った状態でシートを貼ると、凹凸が目立つだけでなく、シートが破けたり浮いたりするリスクも高まっていました。


導入ソリューション

“どこの面を、どのレベルまで見るか”を、拡大+数値で共通言語化

こうした課題に対して、A社様が採用したのが、塗装ゴミブツを拡大表示し、そのサイズを数値で測定できるデジタルドットゲージです。

  • ポータブルな装置のため、大型看板から小さな切り文字まで、検査員が現物の前で自由に持ち運んで使用可能。
  • ゴミブツのある箇所に測定ヘッドをあてると、拡大画像とともに「ゴミブツのサイズ」を数値で表示。
  • 取り付け位置や見る距離に応じて、「この面は〇mm以上はNG」「この裏面は〇mmまでは許容」といった基準を、数字で決められる。
  • 一度基準を決めておけば、誰が測っても同じ数値で判定できるため、検査スキルや経験値に依存しない運用が可能。

これにより、「感覚と経験」に頼っていた看板の見え方品質を、拡大画像+数値という共通言語で整理できるようになりました。


導入プロセス

“製品 × 部位 × 見られ方”ごとに基準を整理し、数値に置き換える

A社様では、代表的な看板のパターンを選び、次のような手順で品質基準を整理しました。

​1.主要な「見られ方」のパターンを洗い出す。

 ・目線高さの小型切り文字(真正面・近距離・LEDあり)

 ・高所壁面看板(遠距離・斜めから・昼間中心)

 ・カウンター周りなど近距離でじっくり見られるサイン など。

2.各パターンで、「どの面が一番見られるか」「どの部位を最優先できれいにしたいか」を整理し、優先度を設定。

3.ベテラン検査員が「客先が期待するレベル」として合格としてきたサンプルを測定し、ゴミブツサイズの実測値をデジタルドットゲージで取得。

4.設計・営業・品質・製造で協議。

 ・「このパターンのこの面は、ゴミブツ径〇mm以上はNG」

 ・「ここは〇mmまでは許容、それ以上は手直し」
   といった良品判定の品質基準を数値で決定。

以降は、「どの製品の、どの面を測って、数値が基準を超えているかどうか」で合否判断できるようになり、検査員ごとの“感覚”に頼らない運用が可能になりました。


導入効果①検査スキル依存の軽減と見落とし・過剰品質の抑制

  • 新人検査員でも、デジタルドットゲージで測定し、表示された数値と基準表を見比べることで、ベテランと同じ判断が可能に。
  • 一品もの看板でも、「全部・全面」を見ることは変わりませんが、「どの面は何mmまで許容か」が明確になったことで、過剰な手直しや不要な塗り直しが減少。
  • 一方で、本当にNGとすべき部分は数値で明確になるため、見落としも減り、出荷前の判断に納得感が生まれました。

「製品全部が厳しいわけではないからこそ、本当に厳しく見るべき面だけをきちんと数値で管理できるようになった」という点が、A社様にとって大きな効果となりました。


導入効果②シート貼り工程のリスク低減と手戻り削減

A社様では、塗装の上にシートを貼って色分けする看板も多く、塗装段階でのゴミブツがシート貼り後に凹凸として浮き出てしまうことが大きな課題でした。

  • 塗装後の段階で、シートを貼る予定の面をデジタルドットゲージで重点的に測定。
  • 基準を超えるゴミブツがある場合は、シート貼り前に補修・再塗装を実施。
  • その結果、シート貼り後に凹凸が目立ってやり直しになるケースや、シートの破れ・浮きといったトラブルが大幅に減少。

「シートを貼ってから不具合に気づいてやり直し」という高コストな手戻りを、事前に数値で防げるようになった点も、高く評価されています。


導入効果③費用対効果の考え方(モデルイメージ)

たとえば、次のような簡単な考え方で「どこでムダが減るのか」を説明できます。

  • 1か月に製作する看板点数:50件(仮定)
  • 一品もの・全面検査のため、目視見落としによる「出荷後のクレーム・手直し」が、月に2件発生(仮定)
  • 1件あたりの手直しコスト(再製作・再塗装・現地対応などすべて含む):10万円(仮定)

導入前のクレーム・手直しコストは、クレーム・手直しコスト(導入前/月)=2 件×10 万円/件=20 万円/月

デジタルドットゲージの導入と基準明確化により、これを半分の1件/月まで減らせたとすると、削減件数(/月)=2 件-1 件=1 件/月月間削減コスト=1 件×10 万円/件=10 万円/月

年間では、年間削減コスト=10 万円/月×12120 万円/年

というイメージになります。

ここに、「過剰な手直しの削減」や「現場検査時間の短縮」といった効果を加えることで、導入費用に対して十分な回収が期待できます。


お客様の声(イメージ)

  • 「今までは“どこまで許すか”が検査員の感覚に依存していましたが、数値基準を共有できたことで、社内の会話がとてもスムーズになりました」
  • 「取り付け位置や見え方によって基準を変える必要がある看板だからこそ、デジタルドットゲージで“見え方の違い”を数字で整理できたのが大きいです」

当社は、看板メーカー様のように一品もの・意匠性の高い製品を扱うお客様に対して、デジタルドットゲージを通じて「見え方品質」の数値化と、検査スキル依存からの脱却を支援してまいります